
時の狭間−400年に1度の夜明け− 後日談
"new daybreak"
Alice Arisugawa fan-fiction.
written by Kai Shiinoya 00' Mar .
「よぉ、アリス」
月が変わって二日。火村から突然電話が来た。
「なんや、火村か。何の用や」
「お前自身の時差を修正してやろうかと思ってな」
「俺の時差?」
なんの話か分からずに首をひねっていると、
「お前の腕時計、日付けを表示するタイプの時計だったな」
「ああ、そうや」
「もちろん、それは閏年に対応なんかしてないよな」
「そりゃ、そこまで高機能な時計やないが…」
ぴんときた。
私は腕時計を見た。
「お前の腕時計、「31日」を表示してないか?」
「…なっとる」
月が30日のときも、私がよくやることだ。
それにしても、2月の月あけ、3月も二日たっているのに、気付かないでいたとは。
電話の向こうで、火村が笑っている。
「日付の感覚が薄いお前のことだから、月があけても、直してねぇだろうなと思ったんだ。───じゃあな」
それだけのために電話してきたのか。
暇な助教授だ。
もし、私がちゃんと時計の日付を直していたら、なんと言うつもりだったのだろう。
まあ、彼のことだからありとあらゆる可能性を想定して電話をしてくるのだろうが。
想像して、笑う。
電話を切り、私は自分の時差を修正した。